症例3 急性心筋梗塞 50代 男性

疾患名
急性心筋梗塞
患者様情報
50代 男性
主訴
2ー3日前から胃の調子がおかしい、胃薬が欲しい
経過
10年ほど前から高血圧、脂質代謝異常、糖尿病で当院通院中の患者。内服加療のみでコントロールは安定していた。
土曜日の夜くらいから断続的に心窩部の辺りが痛くなるような感じがすると、月曜の仕事終わりに予約外受診され、胃薬を希望された。
診察をすると、胃腸症状ではない可能性が高く、心電図検査を施行したところ、胸部誘導でSTが上昇していた。心電図検査施行持は胸部症状はほぼ無かった。
急性心筋梗塞の診断で救急要請し、心臓カテーテル検査が可能な高次機能病院に搬送、緊急入院となった。
医師コメント
胃の不調を訴えて予約外受診された患者様です。お話を聞いてみると、どうも胃の症状ではなさそうな印象で心電図検査を行ったところ急性心筋梗塞であることがわかりました。
心筋梗塞の症状は胸痛など多岐にわたりますが、糖尿病罹患歴が長い患者さんではこのように典型的な症状を呈さない場合もあり注意が必要です。救急車が到着するまでの間に心エコー検査も行いましたが、前壁中核領域に壁運動異常をともなっており診断としてはST上昇型心筋梗塞ということになります。
搬送先病院で緊急カテーテル検査を行い、経皮的冠動脈形成術(PCI)を受け、3日後に退院、現在も後遺症などなく、通院継続中です。